魔雪国でも羽虫が炭化する程度には暖かくなってきた気候に浮かれてか、各所で羽目を外しすぎたと思われる魔族達が水場で様々な事故に遭うケースが次々に報告されている。

被害の内容としては、「沖合で海水浴を楽しもうとしたところ、回遊していたデスクラゲの群れに殴打され全身骨折で死亡」「雨上がりに道路ではしゃいでいたところ、雨後の側溝に潜んでいた側溝魔人に槍を投擲され微塵切りにされ死亡」「庭の木々にエビル水を撒いていたところ、カブトムシに笑顔を向けられ死亡」等だ。

この余りにも無様な事態に轟水抹殺省は全魔界へ向けて「陸に上がる事すらままならない水中魔ごときに殺られる者は雑魚以下の畜生としか言いようがない。いっそのこと我々の手で始末してやるから全員でかかってこい」と宣戦布告した。

これに応え即座に襲来した9999999999999999999999体の魔族たちにより辺りは大乱闘へと発展。
更に声明の内容によって尊厳を傷つけられたと認識したのか、水中魔らも「たまには(上陸)いいんじゃないかな」として暫定的に脚を生やして参戦し、三つ巴となった戦場は俄かに地獄の様相となった。

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▲意気揚々と上陸した水中魔。陸上ではエラ呼吸が出来ないため戦闘中に全員が死亡した。