魔界刑務所において、持ち込みが禁止されている違法な物品「人間」を差し入れにするケースが急増しています。

死刑の確率が166%(無罪の場合でも66%の被告魔が死刑になる)と言われる魔司法界において、受刑者とはすなわち死刑を無傷で潜り抜け、更に刑務所で毎日死刑を執行され続けている頑健な悪魔を意味します。
そのような屈強な悪魔への差し入れに、何故ひ弱な人間が選ばれるのでしょうか?
理由はまさしく悪魔たちの屈強さです。

死刑を無効化するほどの強大な悪魔は皆一様に防御力が高く、また数も少ないため、十分な量の殺戮を行えずにいます。
そのため、刺激のない魔刑務所の生活に飽いた受刑悪魔たちは、自身に死刑を課した裁判魔(※)たちに命じ、殺しても良い差し入れを持ち込ませているとのことです。
※逆死刑制度により、被告魔が死刑を課され生き残った場合、死刑を命じた側の悪魔が生殺与奪の権利を被告魔に握られます

なおこのような受刑者たちの悲惨な境遇に共感した情悪魔たちにより、魔界警察へ嘆願の署名が提出されたとのことです。
魔界警察はこの嘆願書に対して「望むところだ」とコメントしており、一般魔民666人分の血液を用いて魔界刑務所の外壁に「殺されたいやつから来い」と落書きするなど、挑発的な態度を示しています。
痩せデーモン
(受刑者の様子 殺戮に耐えるため、全身の力を口の細い部分にため込んでいる)