大禍(おおまがり)デスジャンボキメラズの先発投手である殺腕エビル選手が自身の決め球である“消える魔球”を投じる際、魔擦熱で本当にボールそのものを消滅させていたことが魔界魔野球機構(DPDB)の調査によって明らかとなった。
殺腕エビル投手は「魔野球規則 第666条“いかなる理由があってもボールを破壊してはならない”」に違反したとして、本日付で魔滅処分とされている。

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大禍デスジャンボキメラズの殺腕エビル投手。
球速でねじ伏せるスタイルで、これまで多くの凡打と死骸を築いてきた。

本来プロ魔野球で使用する公式魔野球ボールは、どんな厳しい環境や暴力にも耐えうる強度を有している。その強度は平均的な中級悪魔がボールを握った場合、その反動で全身がひん曲がり死亡するほどだ。
しかし殺腕投手は常軌を逸した鍛錬によってエビルの限界を超え、投球から敵への着弾までの間に魔擦熱でボールを消滅させるほどの力を得たものとみられている。
DPDBは“初めて該当ルールを違反できた悪魔”として殺腕エビル投手の功績を称える「殺腕賞」を新設し、今後同様のルール違反を犯した悪魔に栄誉と魔滅を与える方針であるとのことだ。

DPDBの会見では、「ルール違反は悪魔らしい行為であり、選手は魔滅すべきではなかったのでは?」と、記者から厳しい質問が投げられる場面があった。
それに対し、DPDB代表の魔野球大好きデーモン氏は「ルールが悪魔を殺めたのだ、我々がいつもやっているように、これからそうするように」と述べた後、質問した記者を握り潰して生成した球を報道陣に目掛けて投球し、着弾時の衝撃でその場の全員を殺害して会見を終了させている。
墓デーモン
殺腕エビル投手の功績を称える像。
大禍デスジャンボキメラズの本拠地”デスジャンボスタジアム”前に建てられている。