昨夜未明、デスガギ大陸から有害魔族と指定され昼夜の区別なく拷問を受けている名無しの害獣が拷問場を脱走した。 害獣は4444年かけて鬼テレビ局までたどり着くと局が四六時中垂れ流している不快電波をジャックし、己の悲痛な境遇を涙ながらに訴えた。
「殺したくて殺しているわけじゃない、本当はもっと残虐に殺したいのに」「キヒヒィ」などといった内容の哀願は4年にわたり行われたが、昨夜666時ごろに3年続いた哀叫を突然停止。何かに気付いたような顔つきで檻に戻って看守を皆殺しにすると、踵を返して再度鬼テレビを占拠し「ねだるな、勝ち取れ!」と絶叫。デスガギ大陸を襲った未曾有の電波ジャックは、至って意味不明な結末を迎えて終結した。
大陸王はこれに対して「面白い」とコメント。臣下の制止を振り切って有害魔族の指定を解除したところ、案の定大陸全土が焼けた上に毒されて完全消滅したようだ。 全身から毒火炎を発して半径4444kmを焼き尽くす、このごく普通の生物は、現在新居を求めて各地の大陸を練り歩いている。

カスの通り道
(画像1.現・無害生物が直進した後の大地の様子)